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リーケージトランスについて

1 リーケージトランスの概要 負荷2次電圧の例
リーケージトランスの構造 リーケージトランスの仕様表示
リーケージトランスの磁束 Q&A(整備中)

リーケージトランスの磁束


1次2次コイル両方に鎖交(注)する磁束を主磁束(Main flux)と呼ぶのに対し、
上記どちらか一方のみ鎖交する磁束を漏れ磁束(leakage flux)という。
(注)2つの鎖のリングのように一方が切れない限り結合が外れない交わり方。磁束は目に見えないが、 始点・終点はなく、ループ状に閉じている。コイルの電流が作る磁束とコイル(電流)は2つの鎖のリングのように交わっている。


リーケージトランスでは、漏れ磁束はパスを通る磁束と理解してもよい。
普通のトランスでは、リーケージトランスのようなパスはないが、1次2次コイル間のギャップがパスのような作用をし、いくらかの漏れ磁束はが発生する。


図2無負荷時の磁束、図3負荷時の磁束


図1構造のリーケージトランスにおいて、図2は2次無負荷時の磁束の図3は負荷時の磁束を示す。
図2、図3において磁束を破線で示し、+-は電流の方向を示す。

無負荷時には1次コイルが発生した磁束はほぼすべて2次コイルに鎖交する。
この時、2次コイルにはほぼ巻数比通りの電圧が発生する。
例えば、1次コイル50ターン、2次コイル200ターン、(巻数比200/50=4)で、
1次コイルに150V印加の時は、2次コイルには600Vが発生する。
  150v×4=600v


負荷時には2次コイルの電流により、主磁束の流れに抵抗を受ける。
この時、2次コイルを通らないでバイパスできるような磁気回路(パス)があると
主磁束の大部分、または一部はパスを通るようになる。

普通のトランスにとって漏れ磁束が多いことは好ましくないが、リーケージトランスは漏れ磁束を意図的に利用したものである。


リーケージトランスのリーケージは磁束が漏れることに関するleakage flux、leakage passに由来する。


リーケージトランスでは無負荷時は、ほぼ巻数比通りの2次電圧が発生するが、2次電流が流れると急激に2次電圧が低下するのは、漏れ磁束の発生量が多いことによる。
コイルに電圧(V)がかかった時、そのコイルが発生する磁束φは、Vに比例する。
また、コイルに磁束φが鎖交するとき、そのコイルに発生する電圧vは、φに比例する。

2Vの電圧が関われば、2φの磁束が発生し、2φの磁束が通れば2Vの電圧が発生する。